京都の訪問診療所 おせっかい日誌

2018/10/21(日)更新  カテゴリー:おすすめ本

京都の訪問診療所 おせっかい日誌(幻冬舎)
渡辺西賀茂診療所



国が目指す地域包括システムの完成形がそこに展開されていると呼ぶにふさわしい、「おせっかい」を基本とした在宅医療の内容は感銘をうけるものでした。

また、医師と患者という1対1の関係だけでなく、看護師やケアマネージャ、理学療法士、ヘルパー、事務スタッフなどの医療従事者や、患者の家族の意見を紹介していたのもよかったです。

多くの人間の視点から、今どんな想いでいるのか、患者や家族とどう向き合っているのか、が描かれていて実態を知ることができました。

患者の最後の望みを叶えたり、住み慣れた家で最後を過ごすための工夫をしたりといった取り組みも素晴らしかったと思います。

以下に印象に残った内容を抜粋しました。

・病気の治療をすることは、病巣や苦痛を取り除くだけでなく、患者の暮らしをサポートしていくもので、病気の治療が最終目的ではなく、「生活の継続」が目的であるべき。

・在宅医療は医師と患者の関係だけでなく、医師と患者の家族との関係、医師以外の医療スタッフ、介護スタッフとの関係、死を見据えての治療、緩和医療の方針の共有などがあり、単に治療という言葉では括りきれない。

・おせっかいとは、私がやらなくてはならない仕事と、あなたがやらなくてはならない仕事の隙間に、ぽつりと置かれた用事や用件である。これは誰の仕事でもないから、やらなくても責任を問われることはない。その用事の当事者以外、困る人もいない。しかし、その用事や用件を見つけてしまった「おせっかい」な人たちは、手を出さずにはいられないのである。少なくとも困っている人がいる事柄なら、支援の手を差し伸べたくなってしまう。そうしたおせっかいが当たり前のように行われる社会であってほしい。

私もはり・きゅう・マッサージ師として、地域の病院のリハビリ室に勤務していますが、大勢の患者がいて一人ひとりに多くの時間をかけられず、流れ作業に身を委ねているような気になるというジレンマがあります。

今後、開業して一人ひとりに密着した治療をやっていくつもりですが、一人ではできることに限りがあります。

いかに地域に貢献していくか、治療だけでなく生活の継続のための家族との関係や、介護のサポートなど、今後の検討課題になりました。


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